蛍

うわーやられたー。
麻耶にしてはすべての謎が簡単すぎると思ったんだ。
ラストまでいくと、その解り易ささえも読者をひっかける為だったんだとわかる。
さすが麻耶と言わせて頂きます。やられました。
以下ネタばれ満載。
自分の文章が読者にへただと思われている、その可能性までトリックに使うか。
参るわ。
まず、最後の生き残りが誰かって話ですけど、生き残ったのは大学生。
女性一人の身元不明者。
ということで、千鶴?と普通に考えたら思う。
でもちょっと待てよ。相手はあの麻耶雄高だ。
そんなに簡単か。という疑問が湧きあがる。
まず、女性は誰か。
作中で、この場で発見されてもおかしくない女性というと
「千鶴」「ふみえ」「小松響子」
の3名。
身元不明の女性一人が「ふみえ」だった場合。
じゃあ千鶴は生きてるかというとそうとも言い切れない。
『身元不明の』女性一人、であって身元が知れてる女性が遺体に
含まれていてもいいわけだし。
じゃあ、その場合千鶴の身元は確かか、というと。
千鶴が持っているのは弟の学生証。とはいえ、一応身元を確かめることはできる。
身元不明の女性一人が「小松響子」だった場合。
同じく千鶴が死んでいる可能性と、生きている可能性はあるわけですが
「ふみえ」は発見されていないことになる。
ただ、それだけ?
死蝋になってるのなんて、泥の中から発掘されればすぐには分からないよな。
身元不明の女性一人が「千鶴」
これはない。
発見された死体が佐世保を含む7名で内、身元不明の女性が一人。
生き残りは学生。
という情報から、「ふみえ」か「小松響子」のどちらかは7名のうちに
カウントされてると分かるし、それなら身元不明者は女性2名でなければ
おかしいでしょう。
と、いうことで、生き残りですがイニシャル縛りで千鶴かなとも思うし。
でも、麻耶だし(笑)
真相は闇の中ですか。
個人的には千鶴本命で、次点長崎だと思います。
長崎がラストで勇者になれたんだと、そう思えれば救いがあるかなと。
で、この作品には最初から、二つの罠が仕掛けられている。
“諫早=記述者”と思いこむ人と、“記述者=他の誰か”と思う人がいるのではないかと。
一人称で語られているのに、ときどき三人称で出てくる『諫早』の存在に気付いたら
この記述トリックは第一章で気付くと思う。
で、じゃあこの語り部は誰?
と思ったときに、フェアの精神でいくと、必ず人物表に載っている人物。
つまりアキリーズのうちの誰か。
不自然に記述者が他人の目で見ていない人物=長崎、とあぶりだされて。
そしたら、千鶴のジョージの共犯者=長崎というのはちょっと待て。となる。
しかも、長崎にはアリバイがあったはず=共犯者ではない。
て、ことで記述者=長崎は共犯者ではありえない。
というのは容易のわかるにしても、もうひとつの罠は分かりにくいよ。
地の文で「S女子大」「彼女」と表記されてる千鶴の一人称が「ボク」
だって、別にまあ、麻耶だし。で終わらせちゃうし(笑)
まさか、弟「松浦将之」の学生証持ってて(イニシャル縛り解消)男装してて、
それを記述者以外の他のメンバーが気付いてないなんて仕掛け…
気付かなかったよ。悔しい。
ちなみに、私しょっぱな登場人物表見て、イニシャルに気がついたとき
(全員NNとかSSとかなのに、千鶴だけがCM)
白状すると千鶴が犯人なんだと思いました。だせぇ(笑)
あと、佐世保が最初の夜に「看護師がいるから大丈夫」みたいな発言をしてますよね。
あれってふみえの事だったのか、と感心。
あんな細かい伏線回収するなんてな。
次は積ん読している『QED』にいこうと思ったのですが、
先に『上手なミステリの書き方教えます』浦賀和宏いきます。
もう、無駄に好き。浦賀。
---<追記>---
上記読み返してて思ったのですが、「身元不明の女性が誰か」
きっぱりと彼女は有りえない、と否定できるのって千鶴のみ。
ですよね。
ということで、やはり生き残りは確信をもって千鶴だと思います。
何故って?
それが麻耶だから(笑)