
最後の私小説作家と言われる車谷。
友人に薦められて初挑戦。
「救済でもなく逃避でもない、死者に捧ぐ鎮魂の短編集」
と銘打ってあるようにですね。えぇ。
何この救いの無さ。半端ねぇ、容赦ねぇ。
救われないにもほどがある。
収録作はこちら。
◆古墳の話
◆神の花嫁
◆塩壺の匙・補遺
◆三笠山
◆飾磨
◆忌中
それぞれ、殺されてしまった級友への、はっきりとしない自分への、
自殺した叔父への、愛する家族への、自分とは違う姉と違ってしまった夫への、
死の世界へと導いてくれる妻への愛情を綴った物語ではないかと思う。
すべてにおいて共通しているのは、救いがないのに前向き。
そして、前向きなのに後ろ向き。
どっちだよと言いたくなるけどそうとしか表現できません。
あまり人さまにはお薦めしたくない本、ということで、
私は車谷を薦めない。
これ読んで、救えねぇって思うくらいなら有栖川有栖の「幻想運河」か
「ホテルラフレシア」を読んだほうがまだいいよ。
と、全然関係ない有栖川を薦めますね、むしろ。
自ら進んでその毒に身を晒してみようという方はどうぞ。
ちなみに毒は車谷からではなくて自ら出ます。
戻って来れなくなっても責任は取りません(笑)
そして毒虫・車谷長吉という人をものすごくきちんと表しているのは
このページのエピソードじゃないだろうか。
■直木賞作家 級友“車谷君”に捧げる詩
http://www.asahi-net.or.jp/~LU1A-HDK/kurumatani.htm
と、いうわけで私は今から2冊目を読みます。
次は「鹽壺の匙」で。

